方向性を完成させてから相談する必要はありません。「今の経験が別の会社でどう評価されるか分からない」も相談の目的になります。本文の90日などの期間は行動を整理する一例で、窓口を使うための待機期間ではありません。
結論:応募したい職種が決まり、求人紹介と選考支援が必要なら転職エージェントが候補です。転職するかどうか、目標職、価値観から整理したいなら、まず無料の公的相談を使えます。有料のキャリアコーチングは、無料相談では足りない理由と、料金を払って得たい成果が明確な場合に比較します。
相談先は「評判」だけで決めません。相談目的、求人紹介の有無、料金を支払う人、成果物、担当者の専門性、契約終了後に残るものを同じ表で確認します。
この記事での用語
サービス名だけでは内容が揃わないため、この記事では次のように分けます。
- 転職エージェント:職業紹介を中心に、求人提案や応募・選考支援を行うサービス
- キャリアコーチング:利用者が料金を払い、自己理解、目標設定、行動計画などの相談を受けるサービス。求人紹介を含むとは限らない
- 公的相談:厚生労働省などが案内する無料のキャリア形成・リスキリング相談、ハローワーク等
実際のサービスがこの分類をまたぐ場合があります。名称ではなく、契約と支援内容を確認してください。
3つの相談先を比較
| 確認項目 | 転職エージェント | 有料キャリアコーチング | 公的相談 |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 求人との接続、応募・選考支援 | 目標、選択肢、行動計画の整理 | キャリアの棚卸し、職業・学びの相談 |
| 求人紹介 | 通常は中心機能。対象領域を確認 | ない場合がある | 窓口・制度により異なる |
| 利用者の料金 | 公式条件を確認 | 契約額、期間、解約条件を確認 | 無料の相談経路がある |
| 向く段階 | 希望職と転職意思がある | 課題が複雑で継続支援が必要 | 最初の現在地整理 |
| 持ち帰るもの | 求人比較、応募準備、選考情報 | 計画、判断軸、行動記録 | ジョブ・カード、職業情報、相談結果 |

厚生労働省は、ジョブ・カードによる棚卸し、job tagの自己診断、無料のキャリア形成・リスキリング相談を案内しています。いきなり有料サービスへ進まなくても、現在地と相談課題を整理できます。
転職エージェントが合う条件
- 希望職または比較したい職種が決まっている
- 求人票の業務と自分の経験を照合できる
- 応募や面談へ進む意思がある
- 書類・面接で何を説明するか整理したい
- エージェントの対象職種・経験条件に合う
AI・IT領域の専門エージェントでも、未経験者、非エンジニア、管理職など、対象条件は異なります。「AIに興味がある」だけで登録せず、対象職種、紹介可能な地域、経験年数、求人紹介の条件を公式ページで確認します。
キャリアコーチングを比較してよい条件
- 転職、現職継続、社内異動、学び直しのどれか決められない
- 1回の無料相談では整理できない課題がある
- 継続して行動を振り返る支援が必要
- 支払う総額と、受け取る成果物を説明できる
- 求人紹介がなくても目的を達成できる
「自信がつく」「理想のキャリアが見つかる」といった抽象的な説明ではなく、面談回数、担当者、ワーク、成果物、連絡手段、解約・返金条件を確認します。
まず公的相談が合う条件
- 相談内容をまだ一文で言えない
- 目標職をjob tagで調べていない
- 有料支援の必要性を判断できない
- 広告案件とは切り離して相談したい
- ジョブ・カードで経験と強みを整理したい
公的相談を使った結果、有料サービスが不要になることも、専門的な支援が必要だと分かることもあります。無料だから品質が低い、有料だから成果が出るとは決めつけません。
料金と利害関係を確認する
厚生労働省は、職業紹介事業者が職業紹介と明確に区分した有料サービスを提供する場合、職業紹介の前提ではないこと、料金、本人の希望を事前に明示する必要があると整理しています。また、求職者からの職業紹介手数料には規制があります。
読者側では、次を質問します。
- このサービスは求人紹介か、相談・教育か
- 自分が支払う料金はいくらで、追加料金はあるか
- 企業から報酬を受ける場合、どの行動で発生するか
- 担当者は何を基準に求人や選択肢を提案するか
- 求人へ応募しない場合も相談を続けられるか
- 退会、解約、返金、個人情報削除の条件は何か
料金構造だけで提案が不適切だとは断定できません。大切なのは、支援の目的と契約を理解し、自分の判断材料を持つことです。
AI時代だから追加で確認すること
- 「AI求人」が実際にどの業務を指すか
- 担当者がAI・データ・業務変革の違いを説明できるか
- ツール名ではなく、役割・成果・検証を見てくれるか
- 未経験者に必要な学習と、採用要件を分けて説明するか
- AIへ職務経歴や個人情報を入力する場合、利用目的と取扱いが明確か
求人内容を自分でも確認するため、「AI・DX求人票の読み方」を先に使うと、相談で聞く質問が具体的になります。
相談前に1枚用意する
次の5項目を1ページにまとめます。
- 現在の職務と担当範囲
- 転職を考えた理由
- 比較中の選択肢
- これまでに行った業務改善や、これから挑戦したい仕事。AI活用実績がなくても、その旨を伝えられる
- 今回の相談で決めたいこと
AI活用実績の整理方法は「生成AI活用を職務経歴書に書く方法」を参照してください。
停止した方がよい場面
- 初回相談中に高額契約を急がされる
- 料金、期間、解約条件を書面で確認できない
- 対象外の職種なのに求人紹介を約束される
- 成功や年収上昇を条件なしで保証される
- 現職を辞めてからでないと相談できないと言われる
- 個人情報や会社情報の利用目的が分からない
その場で契約せず、条件を書面で持ち帰ります。
最終判断
希望職と転職意思が明確なら転職エージェント、目標整理に継続支援が必要なら有料コーチング、現在地の整理からなら公的相談が候補です。どれか1つに固定する必要はありませんが、同時に複数へ申し込む前に、それぞれの目的を分けます。
転職自体を始めるか迷っている場合は、「AI時代に転職すべき人・今の会社に残るべき人」の4軸から確認してください。
根拠・出典
- 厚生労働省「キャリアを見直したい」(2026年8月17日確認)
- 厚生労働省 job tag「キャリア分析」(2026年8月17日確認)
- 厚生労働省「職業紹介を一層効果的に行うための教育訓練等のサービスの提供について」(2026年8月17日確認)





