自分の顔や声を使った偽画像・偽動画・偽音声、本人を装うアカウントを見つけると、すぐ消してもらいたくなります。しかし、削除依頼を急ぐあまりURLやアカウント名を残さないと、後で状況を説明しにくくなります。
結論は、拡散せずに「URL、アカウント、確認日時、画面、相手からの要求、通報後の受付記録」を保存してから、サービスの通報・削除窓口へ進むことです。 名誉・プライバシー等の侵害について自分で削除を求めることが難しければ法務局や違法・有害情報相談センター、具体的な犯罪被害や不正アクセスが疑われる場合は警察のサイバー相談窓口へつなぎます。
個別投稿が違法か、削除や発信者特定が認められるかをこの記事だけで判断することはできません。証拠保存のためでも、違法・有害な画像を無制限に複製したり、第三者へ転送したりしないでください。
まず状況を3つに分ける
| 状況 | 最初の行動 | 並行して確認すること |
|---|---|---|
| 偽投稿・偽アカウントを発見 | 最小限の証拠保存、サービスへ通報 | 名誉・プライバシー、削除相談の要否 |
| 自分の本物アカウントへ入れない | 公式の復旧、ログイン履歴保全 | 不正アクセスの可能性、警察相談 |
| 送金・個人情報・脅迫等の要求がある | 返信・送金・追加提供を止める | 具体的被害の通報、関係先への連絡 |
偽コンテンツがあることと、自分のアカウントが乗っ取られたことは別です。ログインできるか、公式通知に知らない操作がないかを確認し、憶測で原因を一つに決めません。
手順1|削除前に6点を保存する
- URL: 投稿、プロフィール、画像・動画ページの直接URL。
- アカウント: 表示名だけでなく、識別できるユーザー名やプロフィールURL。
- 確認日時: 日本時間か別の時間帯か分かる形で記録。
- 画面: 投稿本文、画像・動画、アカウント、公開日時が一緒に分かる画面。
- 要求内容: 送金先、連絡先、リンク、脅迫等があれば、その文面と届いた経路。
- 対応履歴: サービスへの通報日時、受付番号、返信、削除結果。
画面保存は、偽情報を自分のSNSで再投稿することとは違います。証拠を必要な窓口へ示せる範囲で保管し、家族・同僚への注意喚起でも偽画像そのものを拡散せず、公式の本人アカウントや確認済み連絡先を案内します。
投稿が消えた後も、保存した資料を公開し続ける必要はありません。保管期間、共有先、削除時期は相談先と確認し、性的画像や未成年者に関する情報など取扱いの重い内容は自己判断で保存・転送を増やしません。
手順2|本物のアカウントを別経路で守る
自分のアカウントへの不正アクセスも疑われる場合だけ、サービスの公式アプリ・公式サイトから次を確認します。
- 登録メールアドレス、電話番号、回復先が変わっていないか
- 見覚えのないログイン履歴、端末、連携アプリがないか
- パスワード変更、多要素認証、他セッション終了の公式手順
- サービス提供会社へ連絡した内容と受付記録
警察庁は、不正アクセス被害ではログイン履歴の画面を保存・印字し、サービス提供会社とのメール等を保存するよう案内しています。偽アカウントを見つけただけで、本物アカウントの設定を無計画に何度も変える必要はありません。公式通知やログイン履歴を確認して分けます。
手順3|サービスの通報・削除窓口を使う
サービス内のなりすまし、プライバシー、嫌がらせ、知的財産等の報告項目から、事実に合うものを選びます。検索広告や第三者の「削除代行」を先に契約せず、公式ヘルプと公式アプリから入口を確認します。
削除依頼には、次を短く書きます。
- 自分が何によって特定できるか
- どの投稿・アカウントを問題としているか
- どの情報が本人の顔・声・氏名等を利用しているか
- 何を求めるか(投稿削除、アカウント確認等)
- 添付する証拠の範囲
サービスごとに項目、必要書類、異議申立て、処理期間が異なります。本人確認書類を送る場合は、送信先が公式窓口か、必要項目とマスキング可否を最新案内で確認します。
手順4|削除が難しいときの相談先を選ぶ
法務省は、インターネット上の名誉・プライバシー侵害について、本人がプロバイダ等へ削除を依頼できること、方法が分からない場合は法務局へ相談できることを案内しています。法務局は相談内容を確認し、助言や、侵害と認めた情報について削除要請を行う場合があります。削除成功を保証する制度ではありません。
法務省のインターネット人権相談受付窓口は、送信後に最寄りの法務局から回答する公的窓口です。違法・有害情報相談センターは、本人が行う削除対応等を案内しますが、削除代行、仲裁、法的判断、取締りをする窓口ではありません。
具体的な犯罪被害の通報、サイバー事案の相談・情報提供は、警察庁の全国統一オンライン窓口から都道府県警察へ送れます。金銭被害、脅迫、不正アクセスなど、起きた事実と保存した資料を分けて伝えます。
やってはいけない初動
- 本人確認のためとして、偽アカウントへ身分証・追加写真・声を送る
- 「偽物です」と偽動画をそのまま転載し、閲覧先を増やす
- 発信者を推測で特定し、氏名・住所を公開する
- 削除を条件に金銭や暗号資産を送る
- 画面保存前にブロックだけして、URL・アカウントを見失う
- 公式窓口を装う検索広告やメッセージ内リンクへ認証情報を入れる
投資広告に使われた偽動画の場合は、動画の見た目だけでなく、発信元・事業者・振込先で確認する手順も使ってください。送金済みなら追加送金を止め、銀行や警察等の案内へ進みます。
今後の公開範囲を見直す
被害投稿への対応と、過去の顔・声素材の公開範囲見直しは同時に全部終わらせる必要はありません。まず今回の証拠と通報を整理し、その後に顔・声を公開継続・範囲縮小・削除検討へ分ける手順を使います(公開後に利用可能)。
次にすること
偽投稿を広く共有せず、URL、アカウント、確認日時、画面、要求内容を一つの記録へまとめます。次に本物アカウントへの不正アクセス有無を分け、サービスの公式通報を1回行い、受付記録を追加してください。権利侵害や犯罪被害の判断が必要なら、保存した事実を公的窓口へ持ち込みます。





