公式情報・制度の確認日: 2026年9月29日
企業型確定拠出年金(企業型DC)は、会社を辞めれば自動で現金として受け取れる制度ではありません。原則60歳までの資産として、転職先の企業型DC、iDeCo、受入可能な確定給付企業年金(DB)などへ移す手続きが必要です。
結論は、退職前に前職の制度情報を受け取り、転職先の企業年金制度と加入対象を確認してから移換先を決めることです。企業型DCの資格喪失後は6か月以内の手続きが必要なので、内定先が決まっていても「人事が自動で全部移してくれる」とは考えず、受付窓口と完了確認まで記録します。
まず転職先の制度を確認する
| 転職・退職後の状態 | 主な移換先の候補 | 最初に確認する相手 |
|---|---|---|
| 転職先で企業型DCの加入対象になる | 転職先の企業型DC | 転職先の企業年金・人事担当 |
| 転職先に企業型DCがない、または加入対象外 | iDeCoの加入者または運用指図者 | 選択するiDeCo運営管理機関 |
| 転職先にDBがある | 規約が受け入れる場合は転職先DB、ほかiDeCo等 | 転職先の企業年金担当 |
| 退職後すぐに再就職しない | iDeCo等 | 前職の運営管理機関と、選択する移換先 |
厚生労働省は、企業型DCから他の企業型DC、iDeCo、受入可能なDB、通算企業年金へ資産を持ち運べる場合があると案内しています。ただし、転職先に制度が「ある」ことと、自分が加入対象で資産移換を受けられることは同じではありません。雇用区分、入社日、規約上の資格を転職先に確認します。
退職前に6項目を1枚へまとめる
前職の説明資料や資格喪失時の案内から、次を控えます。
- 前職で加入していた制度の正式名称。
- 記録関連運営管理機関と問い合わせ先。
- 企業型DCの加入者資格喪失日。
- 資格喪失後に届く書類の送付先住所。
- 転職先の企業型DC・DBの有無と自分の加入対象。
- 移換申出の窓口、提出日、受付番号などの確認記録。
2026年4月1日から、事業主は企業型DCの資格喪失後ではなく、退職などで資格喪失が見込まれる時点に移換事項を説明することになりました。退職前に案内を受けていない場合は、人事へ「企業型DCの資格喪失日と資産移換の案内」を確認してください。
退職時に受け取る書類全体を確認する場合は、退職後に会社から受け取る書類の用途・期限一覧と一緒にチェックします。
転職先に企業型DCがある場合
転職先の企業型DCへ移す場合は、転職先へ移換手続きを申し出ます。確認するのは次の4点です。
- 自分が企業型DCの加入対象になる日。
- 前職資産を受け入れるために必要な情報・書類。
- 前職の資格喪失情報と基礎年金番号等が一致しているか。
- 受付後、資産移換の完了をどの画面・通知で確認するか。
厚生労働省は、資格喪失後に新しい企業型DCやiDeCoの加入者になったことを確認できた場合、本人の申出なしで移換処理される仕組みも案内しています。ただし、氏名や基礎年金番号等の照合状態、転職先での資格取得時期によっては本人の確認が必要です。申出なし移換を前提に放置せず、転職先の窓口へ受付状況を確認します。
転職先に企業型DCがない場合
iDeCoへ移す場合は、選択した運営管理機関へ「個人別管理資産移換依頼書」等を提出します。掛金を新たに拠出する「加入者」と、資産を移して運用だけを行う「運用指図者」では手続きが異なります。
ここで先に決めるのは金融商品ではなく、次の3点です。
- 掛金を拠出するか、資産移換と運用だけにするか。
- 転職・退職後の国民年金の被保険者区分。
- 受付金融機関の手数料、商品、オンライン手続きの条件。
この記事では特定の金融機関や商品を勧めません。手数料と商品は変更されるため、申込み時点の公式資料で比較してください。
6か月を過ぎると何が起きるか
企業型DCの資格喪失後、6か月以内に必要な移換等をしないと、資産は国民年金基金連合会へ自動移換されます。自動移換されると、資産は運用されず、管理手数料がかかり、自動移換中の期間が老齢給付金の受給要件となる通算加入者等期間に入りません。
すでに6か月を過ぎた、または自動移換の通知が届いた場合も、資産が消えたと決めつける必要はありません。企業型DCが自動移換された後の確認と再移換手順で現在地と移換先を確認します。
次にすること
退職前なら、前職の企業年金担当へ資格喪失日、運営管理機関、送付書類を確認します。転職先が決まっているなら、企業型DCまたはDBの有無だけでなく、自分が加入対象か、前職資産を受け入れるかを聞いてください。
退職日と入社日の調整が先なら、転職の退職日と入社日を最終出社日から逆算する手順を使い、企業型DCの確認日も同じ予定表へ入れます。





